劇団四季『サウンド・オブ・ミュージック』製作発表会[2009年11月10日(火)]
その製作発表会に行ってきました。
今回四季が上演するのは、「アンドリュー・ロイド=ウェバー氏がプロデュースし、2006年にロンドンのパラディアム劇場でオープンしたバージョン。」とあります。
今まで上演されてきた『サウンド・オブ・ミュージック』とどう違うのかな?ということと、なぜ、今四季でこの作品をやろうと思ったのか。2つを疑問に思いつつ、会場に向かいました。

会場にはいると、壇上の準備中のテーブルの上、既に役名とネームプレートが!
マリア:井上智恵
トラップ大佐:芝清道
シュレーダー夫人:坂本里咲
修道院長:早水小夜子
観たい。
どの役者さんも舞台で何度も観て、それぞれに素敵だな、と思っていた人ばかりです。楽しみになってきました。
上記役者さんと、浅利代表、それとアンドリュー・ロイド=ウェバー氏の作品を管理している、The Really Useful Groupの担当常務、ティム・マクファーレン氏が壇上に揃いました。

以下、順序は前後しますが、今日発表会で話題になったことの一部を列記します。
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1.なぜロイド=ウェバー氏が『サウンド・オブ・ミュージック』?
ティム・マクファーレン氏がまずはこの点を説明しました。「おそらくみなさん、それを疑問に思われているのではないでしょうか。」ロイド=ウェバー氏は、10歳のときにロンドンで、ロジャース&ハマースタイン作曲を手がけたこの作品の舞台をはじめて観てすっかり魅せられたと言います。ふたりにファンレターを書いて、リハーサルを見学させてもらったこともあるとか。
しかし当時この舞台はあまり評価されませんでした。楽曲も脚本もすばらしい作品。「いつか自分がプロデュースしてロンドンでヒットさせたい」と、ずっと思い続けていて、それがようやく叶ったのが、2006年だったのだそうです。
ちなみにこのロンドン版、イギリスBBCのリアリティーショー「How Do You Solve a Problem Like Maria? 」に、(事前に6000人の中から選ばれた)10人を出演させ、視聴者の投票によって、主役のマリアを選んだのだそうです。
【→How Do You Solve a Problem Like Maria? 】
リハーサル開始の一週間前(!)、マリア役を射止めたのはコニー・フィッシャーさん。いまはUKでこの作品のツアーに出演しているそうです。
2.ロイド=ウェバーバージョン、どう違う?
基本的に、話の内容は変わっていません。また、ロイド=ウェバー氏が曲を書き足したりもしていない。
ただ、舞台演出は変わっているし、メロディは一緒でも曲の雰囲気は違っています。浅利氏曰く、「ロイド=ウェバー氏バージョンは、作品のメッセージやドラマがよりはっきりと表現されている。もとの作品の感動が、より鮮やかに伝えられていると思う」。
そのバージョン(ロンドン公演)の映像を使った、プロモーションビデオがこちら。
今手元にあるのは、ジュリーアンドリュースがマリア役を演じている、1965年の映画バージョンと、
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今回のロイド=ウェバー氏バージョンのCD。
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映画と舞台版を比べるのもあれですが、敢えて言うと、ロイド=ウェバー氏バージョンでは、より音やテンポがくっきり。でも、あの時期のミュージカルナンバーの優雅な空気はちゃんと残っています。
昔の映画を、復元作業を施し、鮮やかに蘇らせたものを観たときのような感じ。
1965年のまるい、柔らかな雰囲気の音も好きですが、ロイド=ウェバー氏バージョンの方が舞台に乗るとテンポがよく聞こえるかもしれません(舞台を観るまでこの辺は保留ですね。)。
3.役者に聞く:伝えたい作品の魅力は?
マリア役:井上智恵さん先月イギリスでこの作品を観ました。
なによりも、音楽が魅力的。曲に込められた感動を伝えたい。
トラップ大佐役:芝清道さんトラップ大佐は、こどもたちを愛していながらも、コミュニケーションがうまくとれない、不器用な男性。マリアと出会うことで、段々に変わって行きます。
親の子どもへの愛情や、人と助け合う大切さを伝えたいと思います。
シュレーダー夫人役:坂本里咲さんこの作品を、昔から映画で観るたびに感じる「生きる希望」を、伝えられたら、と思います。
映画版でシュレーダー夫人を演じている、エリノア・パーカーさんの大ファン。役者としても、演技の参考にさせてもらっているので、この役が演じられるのはとても嬉しいです。
修道院長役:早水小夜子さん子どもの頃からこの作品は大好き。レコードで曲をよく聞いていました。
修道院長は大きな愛を持つ女性。彼女の歌う「Clime Every Moutains」が印象的。何にでも挑戦して夢を掴みなさい、というメッセージを伝えたいです。
4.劇団四季の公演は演出がかわる?
ロイド・ウェバーバージョンを劇団四季で上演するにあたり、ロンドンと比較して、演出など変わる点はあるのか?という、産經新聞からの質問に応え、「来月の1日から製作がはじまる。それ以降、動いてみてから手をいれる可能性がある」と浅利代表。その理由として、子役が労働基準法の都合で、最後まで出演できない可能性がある点をあげました。
その問題からどうしても、カットしなくてはいけないシーンがでてくるかもしれないという話でした。(※1)
ちなみに、7人のこどものうち、1人は大人が演じ、6人は今回ジュニアクラスに参加している子供たちのなかからのオーディションで決めます。
それと、日本で上演するというのは、ただ言葉を日本語に訳せば良いものではないので、その都合でロンドン上演されたロイド・ウェバーバージョンとは異なるかもしれないとも話していました。
因に、『サウンド・オブ・ミュージック』のナンバーの「ドレミの歌(Do-Re-Mi)」の、一番有名な日本語の歌詞は、ペギー葉山さんの作詞で、著作権も彼女が持っているため、そのまま舞台では使えません(※2) 。ので、彼女に頼むか、今回改めて訳すか…。どうなるのか、こちらもちょっと気になりますね。
5.今後の予定
今月の半ばに、子役のオーディション、来月1日から本格的に製作がスタートするそうです。
公演スタートは2010年の2月下旬。
四季劇場「秋」です。
チケットは、12月26日(土)一般発売開始。会員は19日(土)から。
ということは、そのときまでには公演初日が決まっている、かな。
6.劇団四季で『サウンド・オブ・ミュージック』を上演する理由
ロイド・ウェバー氏側は、このバージョンを日本でやるのならぜひ四季で、と考えていたようです(ティム・マクファーレン氏談)。四季は、いままで氏の作品をいくつも扱ってきていて、そこに信頼関係もあるので、「浅利氏の判断で演出をかえても良い」と言われたこと(上記「4.劇団四季の公演は演出がかわる?」参照)、そしてこれだけ有名なミュージカルのロイド・ウェバー版、本気でしっかりつくってみよう、と上演することに。
浅利氏個人としては、『サウンド・オブ・ミュージック』の家族同様、自分も戦争を経験し、戦時中をどう過ごしていたかを体験として知っているからこそ伝えられるものもあるのではないか、と考えているそうです。
ミュージカルに関しては、本気で素晴らしい、やりたいと思った作品をつくれば、お客さんがちゃんとついてきてくれるということが、いままでの経験上分かっている。
だから今回も、この作品をしっかりつくろうと思う、とのことでした。
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発表会前は「『サウンド・オブ・ミュージック』か、へえ〜」という気持ちだったのですが、帰る時には「これは…結構面白そうかも」と、俄然興味が沸いてきました。

ロイド・ウェバー氏の作品は舞台の美しさがとても好きなので、これも楽しみです。
2月オープンとなると、結構すぐですね。
CDを聞きつつ、さらなる情報を待ちたいと思います。
(※1)
労働基準法…あ、これですね。
(法令データ提供システム:労働基準法)
◎「一週間について四十時間、修学時間を通算して一日について七時間」までしか労働してはいけない。
◎午後九時から午前六時の間は、満18歳以下のこどもを労働させてはいけない。
そのため、「ライオンキング」や「美女と野獣」でも、この法律のため、夜の公演の後半やカーテンコールに、こどもが出演できないということになっています。
2009年5月23日の産經新聞の記事によると、へえ、やはり「Billy Elliot」も、劇団四季で上演を検討していたのか!でもやはり、この法律問題で難しくなったようです。
(そういえばブロードウェイの公演は、土曜日とはいえ20時スタートだったなあ…。こどもたちはもちろん、23時ちかくのカーテンコールのときまでいました。)
(※2)
過去にいろいろなところで上演されている『サウンド・オブ・ミュージック』。
Wikipediaによると、そのときどきで、使用された日本語訳が異なるのですね〜。
Posted at 00:05 | 劇団四季 | この記事のURL | Clip!! | コメント(1) | トラックバック(3)

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ブログのまとめ方にはいつも感心しています。また、その場で疑問点を解決してゆく姿勢もお手本にさせていただいております。
動きがのろいのでお礼が遅くなりました。これからもよろしくお願いします。
Posted by:羅針盤のない船 at 2009年11月12日(木) 22:35